住宅の内装設計から、店舗やオフィスの内装へ ── キャリアチェンジは可能か
住宅の内装設計をしてきた人から、「店舗やオフィスの内装に移れますか」と聞かれることがあります。
可能です。住宅の内装設計から、店舗やオフィスといった非住宅の内装に移っていった方はいます。ただ、住宅で積んだ実績が、そのまま評価につながるわけではありません。同じ「内装設計」でも、扱う建物の用途が変わると、求められるものが変わるからです。
住宅の実績が、そのまま通用しない理由
用途が変わると、デザインの狙いが変わります。
住宅は、特定の施主とその家族が暮らすための空間です。店舗なら、人をどう集めて、どう回遊させて、どう買ってもらうかまで考える。オフィスなら、そこで働く人の効率や、会社のブランドをどう形にするかが問われます。同じ内装設計でも、誰のために何を達成する設計なのかが、住宅とは違います。
図面を引く技術や内装の知識は、もちろん活きます。ただ、「非住宅の課題を捉えて解ける人か」は、住宅の作品だけでは伝わりません。だから、住宅の実績だけを差し出しても、評価が止まりやすい。ここが、キャリアチェンジのハードルになります。
移るために効くのは、2つ
ハードルはありますが、越えられないものではありません。実際に移れるかどうかは、2つで決まります。
ひとつは、ポートフォリオで「非住宅の観点でも考えられる」ことを見せられるか。住宅の作品をただ並べるのではなく、店舗やオフィスの課題をどう捉えるかまで示せると、評価が変わります。
もうひとつは、関連する小さな実務をつくっておくこと。たとえば自社オフィスの移転やレイアウト変更に関わった経験は、住宅以外を手がけた実績として、想像以上にプラスに働きます。未経験の分野に移るときほど、「やったことがある」と言える小さな足がかりが効きます。
ポートフォリオは、両側で失敗する
非住宅へのキャリアチェンジで、ポートフォリオは合否を分けます。そして、つまずき方は両極に分かれます。
ひとつは、完成度が低いまま出してしまうこと。見せ方のフィードバックを受けないまま提出して、評価につながらない。もうひとつは逆で、理想の大作を作り込もうとして、いつまでも完成しないこと。設計を学んできた人ほど、頭の中の完璧な作品集を目指して手が止まりがちです。
見られるのは、作品集の作り込みの量ではなく、店舗やオフィスの課題をどう捉えてどう解いたかが伝わるかどうかです。要素を押さえて、まず仕上げるほうが先になります。
この見極めは、一人で抱えると的を外しやすいところです。作品の良し悪しも、設計を専門に見ていない相手だと「いいんじゃないですか」で素通りされてしまう。建築や設計の中身が分かる相手に見てもらえるかどうかで、見せ方は変わります。ガウディキャリアでは、ポートフォリオを建築技術者の転職を専門に見る目で一緒に詰めています。住宅から店舗やオフィスの内装に移りたいと考えているなら、何をどう見せれば届くのかを、一度相談してみてください。
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ガウディキャリア INSIGHT 編集部
監修:ガウディキャリア(株式会社Wheelsup運営、有料職業紹介事業 14-ユ-301559)
施工管理経験があるキャリアコンサルタントなど、現場を知る専門家と連携し、独自の取材と分析に基づいたコンテンツを発信しています。