「資格を取ってから転職」で、かえって遠回りになる20代後半|ポテンシャル枠の賞味期限
「資格を取ってから、転職しよう」。20代後半の建築技術者から、よく聞く考え方です。
その気持ちはよく分かりますし、資格はあったほうがいいのも事実です。一級建築士や一級建築施工管理技士があれば、選べる会社は確実に広がります。
ただ、「資格を取るまで、転職活動そのものを止めておく」となると、かえって遠回りになることがあります。この記事では、転職支援の現場から、資格と転職のタイミングをどう考えればいいかをお伝えします。
20代後半には、「ポテンシャル枠」の賞味期限がある
中途採用には、大きく二つの見られ方があります。「ポテンシャル(伸びしろ)で採る」か、「即戦力として採る」かです。
20代の前半から半ばまでは、経験が多少足りなくても、これからの伸びしろを見込んで書類が通ることがあります。いわゆるポテンシャル採用です。ところが、20代後半に差し掛かってくると、この見られ方が、少しずつ「即戦力かどうか」へと変わっていきます。
ここに、見落とされがちな落とし穴があります。同じ会社でも、2年前なら「伸びしろ」で書類が通ったのに、数年後には「即戦力としては経験が足りない」と見送りになりやすくなる。年齢が一つ上がるごとに、ポテンシャルで見てもらえる余地は、静かに狭まっていきます。
「資格を取ってから」で活動を止めると、遠回りになる
だからこそ、「資格を取ってから動こう」と、転職活動そのものを何年も止めてしまうのは、20代後半では機会の損失が大きくなりがちです。
考えてみると、二重に遅れます。まず、資格を取るまでの時間で、転職の時期そのものが先送りになる。そしてその間に、ポテンシャル枠は閉じていく。市場での価値は数年では大きく変わらないのに、いざ動こうとしたときには「以前なら通った書類が通らない」状態になっている、ということが起こり得ます。
資格は確かにプラスです。けれど、「資格が取れてから」を理由に動きを完全に止めてしまうと、その資格を活かす前に、入口が狭くなってしまう。これは避けたいところです。
資格と転職活動は、二者択一ではない
ここで大事なのは、「資格を取る」か「転職活動をする」かの二択で考えないことです。両立できる動き方があります。
たとえば、こういう進め方です。現職で働きながら、早めに転職活動を進めて内定を取る。そのうえで、入社の時期を少し後ろにずらしてもらい、退職から入社までの期間(有給消化を含む)に、資格試験の勉強時間を確保する。内定から入社までは、交渉次第で3〜4ヶ月ほど空けられることもあります。
こうすれば、ポテンシャル枠が開いているうちに選考を受けられて、かつ資格の勉強時間も取れる。「資格を取ってから動く」と「今動く」を、対立させずに両立できます。
もちろん、現場の繁忙期と試験が重なるなど、人によって事情は違います。だからこそ、自分のスケジュールに合わせて、どう組み立てるかを一緒に設計するのが、いちばん現実的です。
「資格必須」と書いてあっても、入れることがある
それと、もう一つ知っておいてほしい事実があります。求人票に「一級建築士必須」と書かれていても、資格がないまま内定をもらえる場合がある、ということです。
求人票には出てこないだけで、「資格はこれから取ってくれればいい」というニーズが、企業側にあることは珍しくありません。まずは、そうした枠がないかを、エージェント経由で確かめてみる。さらにエージェントによっては、企業と交渉して、そのポテンシャル枠そのものを作ってくれることもあります。私たちも、こうしたかたちで決まった例は、普通にあります。
だからこそ、「資格を取ってから」と決め込む前に、一度相談してみてください。このあたりは一級建築士、合格したけど免許交付前の転職にも書いています。その資格が本当に必須かを確かめるだけで、いま動ける範囲は変わってきます。
「取ってから」で止まるのが、いちばんもったいない
資格は、間違いなく武器になります。ただ、20代後半でいちばんもったいないのは、「資格を取ってから」を理由に、転職活動そのものを止めて何年も過ごしてしまうことです。
止まっている間に、ポテンシャルで見てもらえる時期は過ぎていく。資格を取りにいくこと自体は正しい。問題は、そのために動きを止めるかどうかです。資格を取りながら、選考も並行して進める。その設計ができれば、資格も、ポテンシャル枠も、どちらも活かせます。
私たちガウディキャリアは、建築技術者の転職支援を専門にしています。資格の勉強と転職活動を、どういうスケジュールで両立させるか。その組み立てから、ご相談いただけます。
「資格を取ってから」は、正しいようで、止まる理由にもなりがちです。取りにいくのと、動き出すのを、分けて考えてみてください。
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