施工管理 「ゼネコンの経験があれば、発注者側のPMもできる」は要注 意です。役割は、地続きではありません ガウディキャリア INSIGHT

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「ゼネコンの経験があれば、発注者側のPMもできる」は要注意です。役割は、地続きではありません

ゼネコン施工管理から発注者側のCM/PMへの転職で直面しやすい現実を、転職支援の現場から解説します。発注者側=上流の企画とは限らないこと、ゼネコンの現場経験はPMにそのまま転用できない「役割の断絶」、入る前に役割と体制を確かめる視点を整理します。

株式会社Wheels Up高品質記事

「ゼネコンの経験があれば、発注者側のPMもできる」は要注意です。役割は、地続きではありません

ゼネコンで施工管理を数年やった方から、こういう希望をよく聞きます。「発注者側のCM/PM(コンストラクション・マネジメント/プロジェクトマネジメント。施工を請け負うのではなく、発注者の側でプロジェクト全体の調整・進行をまとめる仕事)に回れば、上流の企画から、ものづくりにもっと深く関われそうだ」。

発注者側のPMは、施工管理から上流に近づける有力な道のひとつです。そのこと自体は、別の記事でも紹介しています。

ただ、転職支援の現場で見ていると、入ったあとに「思っていたのと違う」と早い段階で揺れる方もいます。理由は、本人の力不足というより、ゼネコンの現場経験とPMの仕事が、地続きではないからです。役割そのものが、立ち位置の違う仕事に変わります。

入る前に2つの現実を知っておくと、このギャップは避けやすくなります。

「発注者側=上流の企画から」と、実際に任される役割はずれることがある

入社前に思い描きやすいのは、「発注者側で、どんな建物を、誰に向けて、どんな価値で建てるか」という上流の企画から携わる姿です。

実際、そういう企画の部署はあります。ただ、ゼネコンの施工管理出身だと、「施工に近い人」と見られて、施工段階に入った案件や、現場寄りの役割にアサインされることが少なくありません。上流の企画は、設計の出身者や不動産企画の経験者が担っていることが多いのが実態です(このあたりは別記事で詳しく触れています)。

つまり、「発注者側に入れば、自動的に上流から関われる」とは限りません。最初に就く役割が、企画なのか、品質管理や施工寄りの調整なのかは、会社やタイミングによって変わります。

ゼネコンの現場経験は、PMにそのまま転用できるわけではない

もうひとつが、役割の断絶です。

ゼネコンの施工管理は、決められた基準や仕様に従って、現場を回し、品質・安全・工程を作っていく仕事です。基準は、基本的に「与えられる」側にあります。

一方、発注者側のPMは、その基準や判断そのものを決める側に立ちます。設計・施工・お客様の間に立ち、会議体(定例会など)でプロジェクト全体を動かし、「誰がどこまでやるか」という業務範囲を区切っていく。現場で手を動かすより、決めて、調整して、まとめる比重が大きくなります。

同じ建築の仕事に見えて、立ち位置はむしろ逆です。とくに現場中心でやってきた方ほど、定例会を運営したり、判断の根拠を自分で組み立てたりする動きは、経験が薄いことがあります。「ゼネコンにいたから」でPMのプロになれるわけではありません。

だから、経験の延長としてではなく、近い分野ではあるけれど別職種への学び直しとして入る——そう構えておくほうが、最初のギャップで折れにくくなります。

入る前に、「PMの役割が機能している組織か」を見る

PMは本来、業務範囲を区切るのが仕事です。

ところが、組織やプロジェクトによっては、その範囲が曖昧なまま走っていることがあります。「これは誰がやるのか」が決まらず、間に立つ人に仕事が際限なく乗っていく。立ち上げ期の組織や、体制が整いきっていない現場で起きやすいものです。

ですから、「PMという職種かどうか」だけでなく、「その会社・プロジェクトで、PMの役割がちゃんと区切られて機能しているか」を、入る前に確かめておきたいところです。体制の確かめ方そのものは、別記事にまとめています。

踏み出す前に

発注者側のCM/PMへの転身を考えているなら、動く前に3つだけ整理しておくと、ミスマッチが減ります。

最初に就く役割を、具体的に確かめる ── 発注者側でも、ゼネコン施工出身は施工寄りに置かれることがあります。入口が企画なのか、品質管理・施工寄りなのかを、入る前に具体的に聞いておく。

経験の延長ではなく、学び直しとして入る ── 基準に従う側から、基準を決める側へ。会議体の運営や、判断の根拠づくりは新しいスキルです。そう構えておくと、最初のギャップで折れにくくなります。

役割が区切られた組織か(体制)を見る ── 業務範囲が曖昧な組織だと「何でも屋」になりやすい。体制の確かめ方は、別記事にまとめています。

ガウディキャリアでは、建築技術者の転職支援を専門にしています。発注者側のPMが、いまの自分の経験と希望に合うのか。入口で就ける役割や、その組織の体制まで含めて、応募の前に当たりをつけるところからご相談いただけます。

「上流に関わりたい」という気持ちは、前に進む力です。だからこそ、その一歩が学び直しになることを知ったうえで選べば、入ったあとのギャップは小さくできます。

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ガウディキャリア INSIGHT 編集部

監修:ガウディキャリア(株式会社Wheelsup運営、有料職業紹介事業 14-ユ-301559)

施工管理経験があるキャリアコンサルタントなど、現場を知る専門家と連携し、独自の取材と分析に基づいたコンテンツを発信しています。

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