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疲れて辞めた理由は、残業時間ではなかった|求人票に書かれない「体制」の確かめ方

残業は月40時間台なのに「疲れて」退職する人がいます。しんどさの正体は、分業の曖昧な部分が一つのポジションに集中する"何でも屋"化。同じ職種名でも会社によってまるで違う「体制」は求人票からは読めません。応募する前に体制を確かめる方法を、建築技術者専門の転職エージェントが本音で解説します。

株式会社Wheels Up高品質記事

疲れて辞めた理由は、残業時間ではなかった|求人票に書かれない「体制」の確かめ方

面談で印象に残っている方がいます。オフィス内装の設計施工会社でPM(プロジェクトマネジメント。お客様と設計・施工の間に立って、プロジェクト全体の進行をまとめる仕事)をしていた、20代の方です。

残業は月40時間台。この業界では珍しくない水準です。それでも「疲れてしまって」と、次を決めずに退職されていました。

ところが、話を聞いていくと、しんどさの正体は残業時間ではありませんでした。この記事では、この方の面談から見えてきた「同じ職種名でも、会社によってまるで違うもの」の話をします。

しんどさの正体は、「これは誰がやるの?」だった

その方がしんどかったのは、業務量そのものより、責任範囲の広さでした。

会社としては分業が進んでいて、設計、施工、ディレクションと役割は分かれている。ただ、分業した結果、「これは誰がやるの?」という曖昧な仕事が生まれます。そして、その曖昧な仕事は、間に立つポジションに集中していました。本人の言葉を借りれば、「何でも屋さん」です。

常に7件ほどの案件を並行して持ち、その全部で、設計の内容にも、お客様にも、社内の関係者にも気を配る。自分が気づかずに見落としたことが、引き渡しのときのクレームや、「ここが収まらない」という問題につながるかもしれない。その怖さが、ずっと続く。

「気づいた人がやればいいよね、という文化がきつかった」と話されていました。

これは、本人の能力や根性の問題ではありません。業務の境界と責任者の所在が曖昧なまま案件が回る、体制の問題です。同じ仕事でも、境界がはっきりした体制なら、同じ人がもっと長く働けていた可能性は十分あります。

同じ職種名でも、体制はまるで違う

この方が経験した2社では、同じ「PM」でも体制がまったく違いました。

1社目は社員10数人の会社で、打合せには設計も一緒に出る。部署の中で「代わりにこの現場に行ってほしい」と助け合う文化がありました。2社目は、独り立ちすると1案件で表に立つのは実質1人。設計は打合せに出ません。

どちらが正解、という話ではありません。1人で任される方が動きやすい人もいます。ただ、「チームで回す体制の方が、自分は長く働ける」という向き不向きは確かにあって、この方は退職してから、そのことに気づきました。

これは内装のPMに限った話ではありません。施工管理でも設計でも、同じ職種名の求人で、1案件を何人で回すか、誰がどこまで持つかは会社ごとに違います。

その違いは、求人票に書かれない

問題は、この体制の違いが、求人票からはほぼ読めないことです。

同じ職種の求人票は、どの会社も同じようなことを書きます。仕事内容の欄を並べて読んでも、差がつかない。すると選ぶ側は、「だったら知っている大手で」くらいの決め方しかできなくなります。

この方も、大手エージェントに登録すると、経歴に自動でマッチングされた求人が大量に届いていました。「確認するだけで時間がかかる」状態で、結局ほとんど見ていない。これは珍しい話ではなく、面談でよく聞く状況です。

つまり、「疲れて辞めた理由」は求人票に書かれない部分にあったのに、次の会社を選ぶ手がかりも、求人票にはない。ここで手が止まるのは、自然なことです。

応募する前に、「体制」を確かめる

それでも、確かめる方法はあります。順序を変えればいいのです。引っかかった求人にまず応募して、面接の中で探るのではなく、応募する前に体制を確かめて、応募先を絞る。

確かめることは、たとえば次の3つです。

  1. 1案件を何人で回すか ── 1人で表に立つのか、チームで分担するのか
  2. 業務の境界と責任者の所在 ── 「これは誰がやるの?」が起きにくい分け方になっているか
  3. 打合せに誰が出るか ── 設計や施工と一緒に動くのか、間に立つ人が1人で受けるのか

手段としては、カジュアル面談(応募の前に、選考とは切り離して企業と話す場)を使う方法と、エージェント経由で企業に直接確認する方法があります。私たちのように企業側とも直接やり取りしているエージェントであれば、求人票に書かれていない体制の部分を、応募前に確かめられます。

時間は少しかかります。ただ、「やりがいはあったけれど、疲れて辞めた」を繰り返さないためには、ここがいちばん効きやすい部分だと考えています。

「長く働ける体制」を定規にしていい

転職の決め方には、案件の規模や年収など、いろいろな定規があります。ただ、もし前の会社を「疲れて」離れたのなら、次は「自分が長く働ける体制かどうか」を定規のいちばん上に置いていい。私たちはそう考えています。

ガウディキャリアでは、建築技術者の転職支援を専門にしています。「何がしんどかったのか」の言語化から、その条件に合う体制の会社を確かめるところまで、一緒に進められます。

疲れて辞めたことは、遠回りではありません。自分に合う体制が分かったのなら、それは次の会社選びの、いちばん確かな手がかりです。


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ガウディキャリア INSIGHT 編集部

監修:ガウディキャリア(株式会社Wheelsup運営、有料職業紹介事業 14-ユ-301559)

施工管理経験があるキャリアコンサルタントなど、現場を知る専門家と連携し、独自の取材と分析に基づいたコンテンツを発信しています。

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